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Synnuminose

こっそりする

行動規範(もしくはアンテナ)

どう考えても仲良くなれなそうなオトモダチがいます。

仲良くはしなくて良いけれども、事務的にお話しはしなければいけないような立ち位置。

社会生活を営んでいる以上、そういう状況は避けがたいものなんだろうと思います。

 

ちょっとした彼の行動や言葉が一々、私が勝手に作った行動規範を逸しているのです。

悪気がないのはわかっているのです。

けれど、彼の近くにいると、「私ならこうしない」や「私ならこの言葉は選ばない」が積み重なって息苦しく感じます。

そこは「ありがとう」じゃなかったかい?

流れをぶった切る君の意見は、そのタイミングでは求められてなかったんじゃないかい?

話して、戻ってきて、どっと疲れます。

 

うんざりした気持ちに任せて「嫌い」と言い捨ててしまいたくなったり、彼と話す時の居心地の悪さの原因とは関係のない点まであげつらって見下してしまいたい気持ちになったりします。

誰彼構わず「私は彼が嫌い」と言ってまわりたくなります。

この非生産的で大人げない衝動はどこから湧いてくるのかと、自分の在りようにもうんざりします。

 

実は酔っ払いついでに冗談半分「私とあなたの関係はうまくいっていない」旨をお伝えしたこともあります。

彼は大変に驚いていました。

ああ。

お話しする度に漏れ出てしまう私の表情の強張りも眉間の皺も、彼の前には無意味なのです。

彼の中では私はニュートラルな同僚的立ち位置に置いていただいているのではと思います。

ありがたいことです。

私は彼にこんな悪意を抱くことがあるのに。

なんという純粋さでしょう。

私はここへ思いを致すと、何やら圧倒されてしまうのです。

伝わらなさというのは大抵悲しくさびしいものです。

しかしここでは伝わらなさというものがこんなにも前向きに作用しているのです。

彼の美点といっていいくらいに。

 

彼はたまたま私のアンテナに頻繁に引っかかってしまうだけの人です。

私の行動規範というのはごく個人的なものであり、そこに引っかかるのは法律違反でも罪でもなんでもありません。

むしろ単一の視点から彼の短所に見える部分を言い広めることで彼の人間関係を毀損するなら、より一般的な視点から見てもその行為は私の汚点といえるでしょう。

 

彼は私が何を不服とするのか、私自身がどうありたいのかを映してくれる鏡のようでもあります。

どこで私の感情が動くのか、よくよく研究したいところです。

そして彼のよいと思われる部分にも目を向けたい。

 

なぜ長々こんなことを書き連ねているか。

彼を含めて飲み会が企画されているからです。

彼がいなかったらもう少しのびのび楽しめたのにと頭の片隅で不満げなぶつぶつが生じたりしますが、このケミストリーを楽しもうと思います。

せっかく妙に縁があるのですから。

ああ。